新規事業開発のブログ

生成AIなどを使った新規事業開発を、職場でも個人でもやっています。これまでは新規プロダクト、エンタープライズ向け事業立ち上げなどをやってきました

Claude Code Actions駆動開発

ここ3ヶ月ほど、GitHub の日々の開発フローに Claude Code Actions を組み込み、試行錯誤を重ねてきました。結果から先に言うと、月間のContribution(PR 作成+レビュー完了の合計)はほぼ 倍増。大げさな魔法ではなく、Issue の切り方と AI への仕事の渡し方を変えただけで、体感の「待ち時間」がほぼ消えたことが大きかったです。本稿では、導入における考え方と実際の運用手順、そして得られたメリットをまとめます。

Claude Code Actionsとは

Claude Code Actions は、Anthropic の大規模言語モデル Claude が GitHub Actions のランナー として動く拡張機能です。リポジトリ内のコードを読み取り、コンパイル・テスト・コミット・プルリク作成までを自動でこなします。チャット欄ではなく Issue や PR のコメントで「この修正お願い」とメンションを飛ばすだけなので、既存の GitHub ワークフローをほとんど変えずに AI に実装を委任できます。

5月から本格的に始めました。新機能開発や、単体テスト追加のような作業を任せたところ、生産性が飛躍的に上がり、自身のContributionがほぼ 2 倍 に増えました。ポイントは「AI がコーディングをする」のではなく「人が Issue 設計とレビューに全集中する」構図をつくったことです。

ここ数ヶ月で行っていた Claude Code Actions駆動開発

GitHub Issue に機能要件を書く

まず意識したのは Issue を細かく分割すること でした。

  • タイトル
  • Overview(一段落で十分)
  • Acceptance Criteria(箇条書き3〜4行)

だけを書き、可能であれば「対象ファイル名」「Class や Function 名」を添えておきます。スコープが明確だと Claude が迷いません。ドラフト段階では OpenAI o3 と相談しながら「ここの依存は別タスクに切ろう」といった整理を入れ、不確実性を発見した時点で即チケットを分ける流れを徹底しました。

Issue を元に Claude Code Actions に開発依頼

Issue が確定したらコメントで 「 @claude issueに基づいて実装してください」と書くだけで Actions が走り、Claude が自動コミット→PR を出します。コミットメッセージや PR 説明文も Issue の内容を引き継ぐため、「何を直したのか」迷わずにレビューに入れます。

実際のissueと依頼スクリーンショット例です。

開発中に新しい Issue を書く

ClaudeがCI を回しているあいだ、私は次の Issue を 書き始めます。だいたい10分程度開発にかかります。でしょうか。ビルド待ちのあいだにチケットが整うので「実装が終わった瞬間に次のタスクがある」状態が維持できます。

二件目を依頼中に一件目のPRレビュー

二件目のissueも開発依頼し、一件目のPRレビューを行います。PR が届いたら差分を確認し、軽微な修正はコメントで指示。この レビューと新規issue実装の二本立て を常に保つことで、開発ラインが滞りません。

Claude Code Actions駆動にするメリット

  • サンドボックス環境での実行 Claude Code Actionsは独立した Action ランナー上でビルドやテストを回すため、コードが競合せず並列ジョブがいくつでも立ち上がります。ローカルでClaude Codeを動かすとき、複数を同じワークスペースで動かすと競合してしまいますが、Claude Code Actionsでは意識する必要がありません。

  • 実装とレビューの完全な並列化 人がレビューしている間に Claude が次のタスクへ着手できるので、「待ち時間ゼロ」に近いサイクルが回ります。

  • 人が “説明と判断” に集中できる コードを書くより Issue をどう切るか、レビューで何を確認するか。開発者が本来やりたい価値の高い作業に時間を使えます。

まとめ

Claude Code Actions を使うと「人が AI に渡しやすい形に課題を整える」ことの大切さに気づきます。タスクを細かく分け、受け入れ基準を明確にし、レビュー方針を先に決める――こうした手触りが “並列実装・集中レビュー” の流れを生み、結果として同じ時間で倍のアウトプットを実現しました。コツは、多くは書かずとも受け入れ基準を明確にすることでAIが動きやすくできることです。小さなタスクからでも使ってみてはいかがでしょうか