SaaSベンチャーで働くエンタープライズ部長のブログ

SaaSベンチャーでエンジニア→プロダクトマネージャー→エンタープライズ部長として働いています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

MoneroのRingCTに使われる署名の基本となるLWWのLSAGについて

MoneroのRing Confidential Transactionによって利用された技術にMLSAGがありますが、元となった技術としてLWWのLSAG(Linkable Spontaneous Anonymous Group)があります。これはAdam Backが修正を加えることでRingCT利用可能だと伝えたものです。 MLSAGにつ…

サーベイ論文: A Survey on Privacy Protection in Blockchain Systemの読書メモ

2018年の Journal of Network and Computer Applicationsに掲載されたブロックチェーン上のプライバシー技術のサーベイ論文について読みました。A survey on privacy protection in blockchain system 以下は読書メモです。 概要 論文のゴールは、ブロックチ…

Moneroにステルスアドレスに加えてリング署名が必要な理由

Moneroにはステルスアドレスという受取人を秘匿する技術と、送金者を秘匿するリング署名技術が利用されています。しかしながら、ステルスアドレスは送金者のアドレスを秘匿化する仕組みになっています。ここでさらに送金者を秘匿するリング署名が必要な理由…

ethers.jsでENSの機能を使って名前解決をする

ENS 前回のethers.jsでBIP39のニーモニックフレーズとBIP44準拠のHDWalletを使うに続き、今回はENS(Ethereum Name Service)の機能を使ってみます。 バージョン node.js v10.16.3 npm 6.10.3 ethers.js 4.0.45 ethers.jsとは(再掲) 公式のFeaturesには以下…

ethers.jsでBIP39のニーモニックフレーズとBIP44準拠のHDWalletを使う

ethers.jsが最近人気とのことで使ってみます。ethers.jsはweb3.jsに近しい、node.jsでethereumを用いることができるライブラリです。みた感じ、web3.jsにはbip39のニーモニックフレーズ(文字列から秘密鍵を作成する機能)が見当たりませんでしたが、ethers.…

送金量を秘匿するConfidential Transactionsについての簡単な説明

liquid(elements)やMoneroにおいてはConfidential Transactions(コンフィデンシャルトランザクション)と呼ばれる技術が使われています。(MoneroはRing Confidential Transactionsと呼ばれる応用手法にしています) Confidential Transactionsはblockstream…